佐藤巳之助作品 №2周助明治型(昭和42年作 30cm)
この作品も昭和42年作のもの。私が収集を始める前のもので、当時はなかなか入手できなかった。それが、40数年経って我が木童舎コレクションに来てくれるとは、思ってもいなかったことである。少し前には昭一工人のウェブサイトがあり、各種作品の名称も掲示されていたと思うが、今は検索してもヒットしないので、この形を正式には何と呼んでいるか分からないが、記憶では「明治黄胴帯なし」と「たつみ」の森さんは呼んでいたと思う。
さすがに若々しい印象を持つ。このような作品が仙台という大都市で生まれていた事を考えると、巳之助工人の魂は、仙台から遠く離れた故郷にいつも在ったようだ。
生半可な生活をおくれる程、豊かではなかったであろう肘折温泉での巳之助工人。それでも己の魂の中に、「肘折」という厳しくも愛おしい故郷があればこそ、遠~く離れた仙台でも、これ程までに豊かな作品が作れたのではないか。実物はもう少しニヒルな笑いを感じる事が出来て、岸田劉生が描く「麗子像」に通じるものがある。
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